3.11の震災後に流れていた「AC(エーシー)」という印象的なフレーズのCMを覚えている人はいるでしょうか。実は、本著者のJames Webb Young氏はACと深い関わりがあります。
1975年に書かれたこの名著が、今でも本国の広告に影響を与えているですね。
新年一冊目:『A Technique For Producing Ideas(アイディアのつくり方)』−阪急コミュニケーションズ
本書の内容は、元々シカゴ大学のビジネススクールの広告専攻の大学院生向けに話され、それを広告業界実務家に向けて話した内容だそうです。
人がアイディアと呼んできたものを作る仕事で暮らしを立てる以外に能がなかった人間の個人的な経験談としての価値しかない
本書を読めば《アイディアをどのようにして手に入れるのか》についての公式・技術を知ることができます。
アインシュタインやバートランド・ラッセルと同じことを指摘している本
知識はよく消化されて、最終的に新鮮な組み合わせと関連性を持った姿となって心に浮かび出てこなければ意味がない
アインシュタインはこれを「直観」と呼び、「直観」だけが新たな洞察に到達する唯一の道だと言いました。
アイディア作りの方法:「2つの原理」を意識し、「心の技術(5段階から成る)」を一定の順序で行え
筆者によれば、アイディを生みだすためには、「2つの原理」を心に留めて、「心の技術(5段階から成る)を修練することが良いそうです。
アイディア作りの2つの原理
心の技術(5段階から成る)
この5つの段階を一定の順序で通り抜けるべし。
1資料(データ)収集:特殊資料と一般資料
2資料(データ)を咀嚼する
3放置して遊びに出かける=無意識で組み合わせて孵化させる
4ひらめく(ユーレカ!)
5ひらめきを具体化するアイディアチェック
本書のポイントと印象に残っている考え方
- アイディアの作成はフォード社の製造と同じように一定の明確な過程であり、流れ作業である
- アイディアの生成過程を明らかにした公式は、①簡単ゆえ信用する人はわずか ②知的労働を必要とするためほぼ誰も実行に移さないし使いこなせない 故に公開しても著者にネガティブな影響はない
- 本書は「パレートの法則」で有名な社会学者パレートのいう「スペキュレート」側の人々ー世界を組み立て直す側の才能を持つ仲間の創造力の向上に寄与する
- どんな技術を習得する場合にも、学ぶべき大切な事は第一に原理、第二に方法。原理と方法こそが全てである。
- 特殊な断片的知識は役に立たない
- 私たちは、言葉それ自身がアイディアであるということを忘れがちである。
- 言葉は人事不省に陥っているアイディアそのもの
- 言葉をマスターするとアイディアは息を吹きかえしてくる。言葉はアイディアのシンボル
- たった1分間のPRで貴社の製品は顧客の人生を一生豊かにする
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